読書の森につながる絵童話 - えらべる絵本のギフト

読書の森につながる絵童話セット

沖本敦子さん（編集者）

いっしょに読む絵本から、1人で読む読書への橋渡し

はじめてひとりで朝まで眠れた。はじめておにぎりをひとりで全部食べきれた。子どもたちの毎日は、はじめての経験に彩られています。

「はじめてひとりで１冊読めた！」と、子どもたちがぴょこぴょこ跳ねたくなるような、ゆかいで美しい３冊の絵童話をお届けします。
人に読んでもらう絵本から、自分ひとりで読む読書の間には橋があります。その橋を上手に渡れると、目の前に広がるのは、豊かに広がる読書の森。読書はその子の一生の伴走者となり、あらゆるものを惜しみなく与えてくれます。
今回セレクトした絵童話には、短い３つのお話が入り、全てのページに魅力的な絵が描き込まれ、1冊の本をひとりで読みきれる工夫が随所に施されています。たまご、トガリネズミ、ジャンボリ。彼らに手を引かれて、たくさんの子どもたち読書の森にやってくるのを、ここでわくわく待っていますね。

『たまごのはなし』
キッチンで、ある日突然目覚めたたまご。はじめて歩き、はじめて言葉を発したたまごは、マシュマロという相棒に出会います。生まれたてのみずみずしい感性で、ときに仰天するようなこともしでかすたまご。緻密に描きこまれた美しい絵とユーモアあふれる物語は、小さな読者の心をしっかりと掴みます。日本絵本賞大賞やブラチスラバ世界絵本原画展金牌など数々の賞を受賞。

『ちいさなトガリネズミ』
月曜は洗濯、火曜は体操、水曜はアイロンがけ、木曜はルービックキューブ、金曜は楽器の練習、土曜と日曜は一週間分の料理。ちいさなトガリネズミの、ささやかながらも愛おしい日常が、あたたかく描かれます。作者のみやこしあきこさんは、ボローニャ・ラガッツィ賞優秀賞、NYタイムズ／NY公共図書館絵本賞を連続受賞するなど、海外でも非常に評価の高い作家です。

『どろぼうジャンボリ』
頭にごみばこをかぶった、風変わりなどろぼうジャンボリ。風変わりなのはその姿だけでなく、ジャンボリが真夜中に盗むものも、相当に変わっています。そして、そんなジャンボリが、毎晩こっそり集めつづけたある宝物が、あるとき街に小さな奇跡を起こします。子どもも大人も、それぞれの胸に何かが残るような、読むたびに、心がふくらむ小さなおはなしです。

選者：沖本敦子
子どもの本の編集者。「だるまさん」シリーズ（かがくいひろし）、「しごとば」シリーズ（鈴木のりたけ）、『りんごかもしれない』（ヨシタケシンスケ）、など、数多くの絵本の編集を手がける。趣味は休日の風呂読書。ゆかいな一人っ子男児の母。

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