リズムがある/歌いたくなる絵本 - えらべる絵本のギフト

リズムがある/歌いたくなる絵本セット

セットに付属する書評カード

広辺和隆さん（絵本専門士）

テンポやテンションを変えて、読み聞かせの面白さにふれる絵本

生まれたばかりの赤ちゃんは、目がよく見えません。一般的に0歳～2歳くらいまでの間に、視力は0.2から0.6くらいまで成長し、3歳で1.0程度になると言われています。視力のおぼつかない赤ちゃんに、絵本が良いとされているのはなぜでしょうか？
実は、聴力はママのお腹にいるときから発達しています。生後3カ月頃からママの声に反応するようになるのは、目で追っているのではなく、耳で聞き分けているからと言われます。
絵本にリズム感がある作品が多い理由、それは美しく楽しい「言葉」の世界に出合い、ふれてほしいという願いからなのです。
さぁ、お子さんと一緒に歌うような絵本の時間を過ごしてみませんか？　きっと、新しい発見が待っているはずです。

『ももも』
この絵本に書かれている言葉は、ほとんど「もも」しかありません。けれども、絵と一緒に「もも」という言葉を眺めてみてください。転がる「もも」や水面に揺られる「もも」には、いろいろな表情があるはずです。絵本の中の「もも」の気持ちになって、声に出して読んでみてください。お子さんの大切な一冊になること間違いなしです。

『０.１.２.えほん　どのはな いちばん すきな はな？』
ぱーっと開いた赤い花に、ぽんぽん並んだ黄色い花。はっきりとした色使いで力強く描かれている花々に、生命の勢いを感じられるはずです。「どのはないちばんすきなはな？」と子どもと一緒に歌うように読んでみてください。美しい絵と心地よい語感が、目と耳を通して、子どもたちの心の中に染み渡ってことでしょう。

『チキカングー』
「チキカーン チキカーン チキカーン グー！」という謎のリズムで行進する犬と、ページをめくるたびに増えていく仲間たち。お子さんと一緒にこの行進の輪の中に飛び込んでください。子どもたちは、リズムや音程なんて関係なく、お父さん、お母さんが一緒に絵本の世界を楽しんでくれることが嬉しいのです。

『のせのせ せーの！』
蝶々、お花畑、自然の風景が、「のせのせせーの！」のかけ声一つで、リボンになったり、ワンピースの柄になったりします。ページをめくる度に大きく変化する画面とストーリーに、子どもたちは、「こんな風に夢が叶うと良いな」と思い、大人は、絵本と子どもの豊かな発想に驚きを感じることでしょう。子どもと夢や驚きを共有することは、子育ての中で大切な思い出になるはずですし、それこそが絵本の本来の目的なのです。

選者：広辺 和隆
絵本専門士・司書・JPIC 読書アドバイザー。埼玉県内の自治体で働く傍ら、絵本専門士「べっちゃん」として、おはなし会やワークショップなどの活動を行い、子どもと絵本のある暮らしの楽しさを伝えている。2児の父。

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